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写真展 「GO UP」
2008年09月06日
今井考さんの写真展、大変ご好評いただいております。
5日の中日新聞の朝刊でも取り上げていただき、また以前に
僕自身が「ディープな人々」(苦笑)の欄で取材を受けた、
名古屋タイムズさんにも、考さんを推薦したところ、やはり
人物紹介の記事で取材してくださいました。

会期は15日までです。土日ならば本人も来てますので、ご興味の
ある方(今までそんなに登山に興味はなくても、好奇心の旺盛な
方でしたら、きっと面白がってもらえるかと思います)はぜひ
見にきていただけたらと思います。

よろしくお願いいたします。

7月。
2008年07月30日
なんだか慌しいまま7月が終わってしまいました。
なにより覚王山祭がハードで、両日とも37度を超える猛暑、しかも2日目には本を広げて、ようやく店構えができたと息をついた途端に、急な通り雨に遭ったりと(そのせいでシネマテークさんに誘っていただいていた、谷川俊太郎さんとお会いするチャンスを逃してしまいました。残念!)、本当にハードな2日間でした。結構いい本を用意したつもりだったのですが、暑さのせいか売上は去年より少なかったのは寂しかったですが、それでも普段は店に来ない人たちにも、いろいろ本を見てもらえて、楽しんでもらえたという手応えはあったので、まあ、汗をかいただけの甲斐はあったのかなと。
覚王山の前日には、パルルでの大谷能生さんの連続レクチャー最終回。これも出張販売、4回すべてに立ち合わせいただいて、通しで話を聴けたことによって、ドーンとなにか塊のように、大谷さんの熱いメッセージを感じることができた気がしました。
そしてなにより、その1週間前には、店での、饗庭孝男さんの文学トーク。お客さんも沢山入ってくださったのでよかったです。今回のこの件では、イベントの実現までにいろんな方にお世話になりました。本当に感謝です。作家さんといえば、今月は仕事の合間に、川上未映子さんのライブ、諏訪哲史さんの講演にも駆けつけることができたのもとても嬉しいことでした。
こちらは自分では足を運べなかったのですが、谷町古本の会さん主催の「モダン古書展 in 芦屋」という古本イベントにも誘っていただき、一箱古本市の企画に出品させていただきました。(一箱古本市といえば、今月初めの頃に、南陀楼綾繁さんが仕事で名古屋に来られていて、ブックマークのメンバーとともにお酒を飲むといった機会もありました。今後とも名古屋の外の皆さんともいろんな形で繋がっていけたらと思ってます)
そのほか、以前に取材を受けたリベラル社さんの『さんぽ日和 名古屋・愛知編』が出ました。スターキャットさんの「まちクル@名古屋」というサイトでも、店の紹介ページを載せていただくことになりました。いずれもありがとうございます。
珍しく活字以外にも、東海テレビの「スタイルプラス」という番組のロケ、あといつも店によく遊びにきてくれている佐藤君が、新作の映画の撮影で店を使ってくれました。しかも、僕もちらっと店員役で出演してしまいました。そんなんで作品は大丈夫なんでしょうか。。
そんなこんなで、7月がバタバタと落ち着かない感じだったので、8月は少しじっくりと店の仕事を進めながら、30日から9月に向けての今井考さんの写真展に備えたいと思っています。
店とは関係ないですが、今月はうちの娘が初めて1ヶ月間、一度も熱なども出さずに皆勤賞で保育園に通うことができ、これも個人的にとても嬉しい出来事でした。

日録より。
2008年05月07日
今日は朝からネットの注文が、一つ片付いたと思うとまた一件、また一件と、妙なペースで相次ぎ、それがアルバイトのMさんが抜けた夕方以降まで続いたために、やろうと思っていた他の仕事が中途半端のまま一日が過ぎてしまった。とはいえ、今日はまた1件、ガイド本の取材が入っていたので、それに向けて、GW明けで棚が荒れた店内を、気休め程度には片付けることができたので、その点ではよかったと思う。
今日の取材は、なにかと評判を耳にする『雑貨屋さんぽ』の続編にあたる本だそうで、これは個人的にもちょっと楽しみ。ただ、相変わらずこうした取材の受け答えが、我ながら下手だなぁと。。まず問題なのは、いつも最初の段階で、うちはあくまで古本屋で、いわゆる今時のおしゃれ系のセレクト・ブックショップとかではないんです、ということを、(そういう系のお店に対してあまり角が立たないよう)オブラートに包んで伝えようとしてグダグダになってしまうこと。当然、じゃあ、どういう店なのか、ということが求められるのだが、そこのところで、それぞれの取材者さんとの相性みたいなものがどうしてもでてきてしまう。
そもそものところで、古本屋の仕事なり、うちの店に興味を持ってくれている方の場合は、まずは対話というのか、こちらがいつも考えていること(どういうことを考えながらこの店をやっているのか)を話せば、それに対してなんらかの反応を示したり、さらに質問を補ったりという風に発展して、会話のやりとりのなかで、取材のテーマなり、店の方向性というようなところの輪郭は自然と浮かび上がってくる。それに対して、いつも困ってしまうのは最初から取材のみの頭でこられる方で、こちらの「考えていること」などにはあまり興味がなく、もっと直接に、この店はどういう店なのかという「説明」を求めてこられるパターンだ。でも、自分の店が客観的にどういう店になりえているのか、というのは店をやってる本人には判断しかねるし、そういうことならむしろお客さんにでも聞いてくれという気にもなる。・・・まあ、取材も媒体によっていろいろですね。
いずれにせよ、今日取材に来てくださった方々は、僕としてもとても有難い、前者のタイプで、古本屋の仕事や本についての話題の流れで、こちらに質問するだけでなく、ご自身のお仕事のことなどもお話してくださるなど、くつろいだ雰囲気できちんと対話ができて、僕としても有意義な時間を過ごせたのでよかったと思う。いつも媒体掲載の情報などは、とくにHPに載せたりしてないのだが、今回は地元の出版社さんでもあるので、ぜひ本が発売された際には告知させていただこうかなとも思ってます。
日録より。
2008年05月06日
GW最終日。午後からアルバイトのMさんに店をまかせて、久しぶりに娘を連れて平和公園へ遊びにいく。公園についてみると、テントや機材を持ち込んでの本格的なバーベキュー組から、犬の散歩、ラジコンカー、池での釣り客まで、さすがに多くの人で賑わっていた。それでも十分に余裕のある広い敷地なので、僕らも凧揚げやボール遊びなどで2時間ほどを過ごす。とくに、もうすぐ2歳半になる娘は、自らに向かってシャボン玉を吹かせては、それが近づいてくるたびに、キャーといって仰向けにひっくり返える、という遊びにハマっていた。なんだかんだと楽しかったようで、僕は店に帰り、妻と娘は帰宅という段になると、珍しく「もっとお父さんと遊ぶ」といって泣き出したほど。ここ数日、嬉しいことに買取の本に良いものが多く、つい店用ないしネット用の登録作業を中心に進めてしまうので、来週末の即売会用の本の準備が捗らないでいる。結局、書庫を掘り返しながら作業しないといけないと思うと、気が重くてつい後回しになってしまう。また古書会館での即売会というのが、僕にとってはお客さんの像が漠然としすぎていて(去年の印象では、要するに何にせよ安く買いたい人たちなのかな、というイメージ)、ターゲットに向けてボールを投げこんでいく気合のようなものが、なかなか沸いてこないところもあって、どうにかモチベーションをあげないとなぁというのが正直なところ。
日録より。
2008年05月04日
GWも後半。帰省や旅行などでよその地域から名古屋に来ているお客が多い印象。周辺のお店などの情報をよく聞かれる。本山エリアについてもオススメのお店などを載せた地図を用意したいなぁと最近とくに感じる。また、目録の百城をみて来てみたというお客さん、あるいは2周年のクーポンを使おうとリピーターできてくれているお客さんも、この数日はちらほら。そんななか「旅と冒険」のIさんも帰省中ということで、BOOKMARK以来、久しぶりに顔をだしてくださる。転職先の東京での新聞社の仕事の話や、ちょうど今、渡米中の弟さんの雑誌掲載のことなどをうかがう。その流れで、いずれうちの店でも写真展をやれれば、という話に。午後、やはり東京から、いつも本を買取させていただいているMさんが来店。この方も出版に関わっておられるので、新刊のお仕事の話や、神保町やさらには海外の古本屋についてのお話をうかがう。それを聞きながら、名古屋の地域性、今の状況のなかで、自分にできる店のあり方について、あらためて考えさせられた。その東京で昨日、雨天ながら実施された一箱古本市についての情報を、ネットのいろんな方のブログなどでチェックする。現地に出張してくれたエビスチームの二人からの連絡はまだないのでわからないが、なんとなく、僕らの出品はあまり売れなかったんじゃないかという予感がする。やはり一箱という制約のなかで、どのようなカラーを打ち出せるかというのが大事なわけで、その意味で、3点混合によるブックマークの出品は、ただの寄せ集めになってしまったんじゃないかという気がした。
日録より。
2008年04月29日
覚王山祭、HAVANKと続いた出張販売の疲れをひきずっていて、身も心も少しダルイが、今日はカレンダーに関係なく市の日。朝一番に入札を済ませてから店を開け、ネットの注文分を片付けていると、あっという間に2時近く。同業のHさんに電話で様子をうかがうと、5~6点は落ちてるということで再び会館へ出向く。年に一回、お付き合いで参加する会館での即売会がもう再来週なので、今日の本はそこでの出品用にそのまま使うつもり。4時には、この週末、東京での一箱古本市にブックマークとして合同出品する予定の本をcestaさんが来られるという予定があり、時間に追われて大慌てで会館に引き返すも、店についた途端、結局この日のcestaさんの来店は無理との連絡が入り、ずっこける。東京の友人から無事子供が生まれたという画像つきのメール。ホントに生まれたての可愛らしい赤ちゃんの表情。やはり奥さんの出産に立ち会ったそうで、自分の娘のときのことを思い出す。赤ちゃんを見に遊びに行けたらなぁと思うが、いつならスケジュールが組めるだろうか。
日録より。
2008年04月18日
体調の戻った娘を2日ぶりに保育園へ送ってから、車で店へ。(たとえ一時的にせよ)ガソリン安くなったなぁとあらためて思う。朝から今日は登録作業を中心に。先日の目録の打ち上げで、先輩方が4万件くらいは当り前に登録している話を聞いて、よし、うちも頑張らねばと。もっとも店の年数が違うのだから、焦らず1件1件積み上げていくしかないのだが。
いつもお世話になっている作家のAさんからTEL。おおお、それはもしホントに実現したら素晴らしいかも、という内容のご提案で、ちょっとのけぞる。どうなりますことか…。
いつもより30分ほど早く閉店し、先月につづき、カフェ・パルルでの大谷能生さんの連続講義「二〇世紀の歌と抽象 -ポピュラー・ミュージックと『ジャズ』」、会場にて出張販売。ただし今日は正文館のFさんも、大谷さんの著書をまとめて持ってこられていて、お客さんたちは甘い香りに誘われるようにそちらに吸い寄せられ、うちの古本はあっさり打ち敗かされる結果に、トホホ。それでも、また今回も、大谷さんご本人が、ああ、やはりシブイなあ、というところをまとめ買いしてくれてとても嬉しかった。一方、個人的にちょっとくやしかったのが、今日のアーヴィン・バーリンについてのトークで何度も触れられていた「ジャズ詩大全」のクリスマスソング篇(著作権の関係で、「ホワイトクリスマス」だけが、本文中ではなく別冊になって挟まれているというもの)、少し前までうちの店にも在庫があり、もし残っていれば皆さんに実物を見てもらうことができたのに、と。
大谷さんのトーク、次回は6月13日。ホントに面白いので、少しでも興味のある方にはぜひ参加をオススメします。今日は夕食でいただいた、豆乳のカルボナーラとロールキャベツも美味でした。
日録より。
2008年04月16日
朝、直接会館へ。昨日落札の荷物を運び込む。バイトのMさんに説明しつつ、仕分けと登録の作業。70年代後半のビートルズ関連の大判ものものが2束。解散をめぐる特集本、未発表写真やトリビア的なネタを掻き集めたようなもの、ポールのバンド「ウイングス」(成田での大麻逮捕による日本公演中止事件も)の本など。同時期にいろんな種類の本が量産されていたことがわかる。翻訳本や海外雑誌の記事を編集し直したようなものが多く、ものによっては掲載されているインタビューなど、ホントに本人たちに取材したのかさえ怪しげなものもあり、それはそれで面白いのかも。とりあえず、金曜の大谷さんのイベントの出張販売にも持っていくつもり。店の入口の雨漏りの件で、担当の不動産屋さんに再々度の催促をして、ようやく点検がくる。夕方、27日の蚤の市の主催のHAVANKさんが、ご夫婦で挨拶に見える。とくに今回、うちだけでなく、cesta、エビスとの共同出店に話をまとめたことについてお礼を言われる。いずれにせよ天気次第のイベントなので、無事晴れてくれることを願うのみ。
日録より。
2008年04月15日
市の日。朝一番で古書会館へ。人文哲学系の大山も含め、ざっと一通り入札のあと店へ。何度か来店くださっているというお客さんからハガキで、文芸評論家のAさんが、うちの店に興味をもってくださり、次の土曜日、カルチャーセンターの授業の後で、来店したいとおっしゃっているとの連絡。光栄なこと。メールにて返事する。
ネットの注文の処理をしてから、再び古書会館へ。自分なりには思い切って8万以上を入札した大山、結局落ちず。落札額とは3万もの開き。ただ、その後の作業のことなど思うと、落ちなかったことで内心ホッとしている自分もあり、無理せずよかったのかもと思うのは負け惜しみか。その他は、5点ほど買うことができた。
店に戻り、追加の注文や雑務をするうちに5時過ぎに。cestaさんが27日のHAVANKの出張販売用の本を持ってくる。この件ではYEBISUからもメール、Iさんが昼から助っ人に来てくれるという。ならば、うちもバイトのMさんではなく、僕が現地で販売をし、そのままIさんと一緒に撤収した方が効率的かも。
5時半ごろ、早めに店を閉め、今日は目録「百城」の打ち上げ、6:30スタートが、あっという間に10時過ぎ。その間ずっと、古本商売についてのざっくばらんな意見交換、名古屋のなかでも、本当にこの仕事に"志高く"取り組んでおられる先輩ばかりの集りだということを改めて実感。誘っていただいたことを有難く思う。その飲み会の最中、TELにて娘がまた高熱を出したと連絡。明日は妻、明後日は僕が、仕事を休んで対応することに。
諏訪さんからの告知。
2008年03月30日
先月弊店にて、愛用のラジカセとともに、ひとりDJを繰り広げながら熱いトークをしてくださった作家の諏訪哲史さんから、近況というのか告知のメールをいただいたのでご紹介させていただきます。

それによると、4/2、3、9、10の4日間、ZIP-FMの番組に出演されるようで、21時40分~45分の小コーナーで、インタビューとともに、諏訪さんのリクエスト曲もかかるとのことです。
またご本業のほうでは、4月は、7日に「新潮」、11日に「週刊読書人」が発売、ともに諏訪さんのエッセイが掲載されているそうです。(ちなみに前号の「群像」の諏訪さんの第二作「りすん」、「文學界」の大座談会も、とても面白い内容でした。ぜひご一読を)

そのほか、みんなで名古屋をPR!「なごやファン倶楽部」というサイトにも、諏訪さんの記事がUPされました。ほかのゲストさんたちが、いかにも無難なナゴヤPRを載せているなか、やはりここでも諏訪さんは紋切り型を拒んで、毒を吐きまくっています(笑) スバラシイです。
http://www.ncvb.or.jp/funclub/index.html
「女子の古本屋」。
2008年03月26日
シマウマ書房の鈴木です。

帰りに駅の書店で『女子の古本屋』をみつけたので購入。ちょうど、火星の庭さんのところまで読みました。
どの店についてもホントに丁寧な取材で、なんかちょっとズルイと嫉妬(?)しました。こういうことなら、富岡多恵子や上野千鶴子の『男流文学論』じゃないけれど、あえて『男子の古本屋』のような視点も、これからの時代には必要なのかもしれません。

あと、関係ないですが、岡崎武志さんの24日のブログ「娘の卒業式」の、娘さんのセリフ、読んだ途端になんか泣けてきちゃいました、うう。。 お恥ずかしながら、じつは僕も、幼稚園の卒園アルバムの将来の夢は、本屋さんでした。そんなこと書いたなんて30年近く忘れたまま生きてきたのですが。

彷書月刊。
2008年03月25日
古書目録『百城』

シマウマ書房のスズキです。

昨日の意味不明の空腹は、やはり体調不良のサインだったようです。鼻水が出るのは花粉症だとしても、体の節々にも少しギクシャクした感じがあって、風邪っぽいなとは思っていたのですが、夜になって熱が出ました。それでも、いろいろと仕事が溜まっているので休むわけにいかないのが哀しいところです。。

ところで、『彷書月刊』4月号の献本が送られてきました。ありがとうございます。
「江戸川乱歩と名古屋」のトークにもお越しいただいた南陀楼綾繁さんが、ブックマークナゴヤについての記事を書いてくださっています。僕のコメントも拾っていただきました。イベントのよかったところだけでなく、反省点なども率直に書いてくださっていたので、本当に有難いなぁと思いました。近々開かれる「反省会」に向けて、僕自身も前回のイベントに関して、また次回に向けての考えをまとめてみないとと思っています。

あと、4月12日(土)、13日(日)の覚王山春祭への出店が正式に決まりました。いつも郵送で審査結果が届くのですが、合格通知をもらったようで、こういう知らせは嬉しいものです。

古書目録『百城』
2008年03月24日
シマウマ書房のスズキです。

出勤時に乗り換え駅近くの床屋に行き、ここ数日の疲れがとれていないせいか髪を切られながら爆睡してしまう。また、本山について店を開けるや否や、妙にお腹が空いてきて我慢ができず、思わず高校生の頃のように早弁をしてしまいました。なにやらあまり体調がよくないのかもしれません。。

そんな話はともかく、三松堂書店さんや神無月書店さんなど、名古屋における歴戦のツワモノ揃いというような先輩方が発行している古書目録に『百城』というのがあります。
身分不相応ながら、この目録に誘っていただきまして、今回初めて10ページほど参加しました。先週くらいに全国発送されて、すでにチラホラと注文がきていますので、アナウンスとしては少し遅いかもしれませんが、今からでももしご興味のある方はお問い合わせください。(シマウマ書房の店頭でも入手可能です)

ちなみに、「百城」というのは、『魏書』の「坐して百城を擁す」からきていて、「書物に囲まれた自分の世界こそ、いかなる世俗的価値にもまさる王国である」「蔵書の多いこと」というような意味があるそうです。

古書目録『百城』 2008年3月・第3号
参加店:
 シマウマ書房
 三松堂書店
 古本屋ぽらん
 伊東古本店
 神無月書店
 鯨書房
    (掲載順)

今こそ永遠の今。
2008年03月23日
シマウマ書房のスズキです。

昨日は店内にて、今井裕夫さんのトーク「ポエジーとしての建築」がありました。
このところどういうわけか、イベント当日に、持ち込みの買取が集中する、というジンクスがあり、昨日もお客さんたちが集まってくる間際になって、ダンボール10箱ほどが入ってくるという、とにかく用意していたスペースを侵食しないよう片付けるだけでも精一杯、というバタバタぶりでした。まあ、でもなんとか時間前にはかたちを作ることができ、トークも今井さんらしさがよく伝わってくる内容で面白かったと思います。最後にスライドで見せていただいた、今井さんの建築作品の写真もとてもきれいでした。

トークの際に配られたプリントには、今井さんが建築の仕事のなかでヒントにしてこられた数々の詩が。ボードレール、リルケ、津村信夫、萩原朔太郎、などなど・・・。その最後に、画家の林武の「送別会に寄せて」という、芸大を卒業する学生に贈った文章がありました。

 人生は永い、自分をよく見つめて一日一日をよりよく生きませう。何はともあれ先ず吾々は今日を立派にしっかりと生きるべきであります。
 画家も「絵」といふものにとらはれず一箇の人間に立帰り「今」といふこの時を吾がものとして生きることに尽きるのです。「今」は再び来ません。今こそ永遠の今と思って下さい。
 「吾」といふものも地上たった一人の吾である事を思って下さい。これをよくよく考へる時吾々は自分の生をいのちのまゝに生かす事が出来るのであります。自己を本当に生かす事が出来ればそこから生まれた芸術こそ人の心を動かし、永遠の勝利者となる事ができるでありませう。技術の巧拙などはもはや問題とならなくなるのであります。
 かくして芸術は牛の歩みとも云われ、狭き門ともいはれ、一言いえばねばりであります。


林武といえば相当な権威の人だし(洲之内徹の『絵のなかの散歩』にでてくるエピソードは好きですが)、この手の訓示的なトーンの言葉にはいつも抵抗を感じるほうなのですが、なにより温かな感性の人である今井さんの口から「こういう考え方というのは建築においても大事なんですよ」と紹介されてみると、おそらく学生時代に聞いたならピンとはこなかったでしょうが、今の自分ならばむしろ素直に頷けると思いました。とくに「一言いえばねばりであります」は、本当にその通りだと思う、今日この頃です。

大谷能生さんのイベントに出前。
2008年03月22日
シマウマ書房の鈴木です。

昨夜はカフェ・パルルにて、大谷能生さんの連続レクチャー「二〇世紀の歌と抽象 –ポピュラー・ミュージックと『ジャズ』」の第一回目。パルルの新見さんに声をかけていただいて、会場の賑やかしとして、音楽関係を中心に古本の出張販売をしました。

やはり、というのか、一般のお客さんよりまず真っ先に、大谷さんご本人が、用意した古本に興味を持ってくださったのは嬉しかったです。半分冗談のつもりで持っていった平凡ソングスなど80年代アイドルの歌本を「資料で集めてるんですよ」と10冊近くもまとめ買いされたのはちょっと意外でしたが(笑)

昨夜のテーマはガーシュインの「I Loves You , Porgy」。冒頭に大谷さんのサックス演奏、そのあと随所に音源の聞き比べなども交えながら、7時~10時まで3時間におよぶトークで(まさに今回のチラシのキャッチコピー「大谷能生、2008年は名古屋でがしがし喋ります!」)、圧倒されっぱなしでした。かといって、立て板に水の、独りよがりな感じにならないのがスバラシイところで、ガーシュインの人物像や経歴、細かなトピックを拾い上げての時代状況の確認、楽曲的な分析など、丁寧に腑分けしながらのお話でした。面白かったです。

ちなみにこの日は、予定ではイベントのあと、車をパルルの駐車場に置かせておいてもらって、電車で帰り、翌朝車をとりにくるつもりでいました。ところが、なんと近くの工事現場から、先の戦争での不発弾(!)が出てきたらしく、その除去作業のために翌朝はこの一帯、立ち入り禁止になるらしく、それはムリということに。仕方なく、車で店に本を持ち帰ってから、深夜はるばる半田の自宅まで帰りました。正直しんどかった。。

・・・と思っていたら、今朝の出勤時、地下鉄のなかでちくさ正文館のFさんとばったり。
Fさんも昨日のトークに来られていて、僕などが撤収したあともさらに残って飲んでいたはずで、こういうベテランの方が毎晩のようにライブや製作活動をこなしつつ、朝になればきっちりと開店にあわせて仕事に出ておられるんだと思うと、まだまだ若い自分などが、しんどいなどとは言ってはいられないなぁと、あらためて感じました。ちなみに、ちくさ正文館、全書籍のなかで、今週の売上トップが『大谷能生のフラン革命』だそうです。つくづくすごい本屋だ。。

古本屋についての研究論文
2008年03月21日
シマウマ書房のスズキです。

先日のブックマークナゴヤで大変お世話になった中日新聞東京本社のMさんから、『神保町が果たす役割 出版業界と書物の今後のために』という冊子を送っていただきました。お気遣いありがとうございます。
この本は、今年2月にオンデマンド出版されたばかりの、一橋大学の学生さんたちによる研究論文だそうです。まだ、ちらっと見ただけですが、いろんな角度からの取材とデータが載っていて勉強になりそうです。
さっそく読ませていただいて、もしかしたらまた、ここでも何か感想を書くかもしれません。


朔太郎の「住宅について」。
2008年03月20日
シマウマ書房のスズキです。

本の整理をしていたら、例の建築家の今井さんが喜びそうなネタを見つけました。

雑誌『オール女性』の昭和13年9月号で、萩原朔太郎が「住宅について」という文章を書いています。
他のページが「スタア離婚ローマンス・岡田嘉子の巻」「職業婦人べからず帖」といった調子の雑誌なので、朔太郎の文章もさほど文学的ではなく、シビアに「近頃郊外に新築される住宅」への不満を述べています。

住宅の目的は、雨露をしのぐといふことの外に、心身の安静で快適な生活を目的とする。そしてこの目的から、適当な光線の採光といふことが住宅建築の必須な条件になるのである。然るに近頃の郊外住宅は、まるでこの点の配慮を無視し、温室かサナトリアムの病室みたいに、家の四面を硝子戸で張り廻し、雨戸もなく障子も少く、家の内部が殆んど戸外と同じやうな明るさである。こんな家に住んでは、心身の安静や休息はもとよりのこと、落付いた家庭生活の情味を味ふことも出来はしない。おそらくこの種の悪流行は、太陽の光線浴が健康に好いといふ、誤った半可通の衛生思想に基づくのだらうが、住宅の第一意義を忘れた衛生思想はむしろ滑稽といふ外ない。外国人の住む純西洋館の室内は、今の日本の家に比して殆んど薄暮のやうに薄暗く感じられるが、それが住宅として丁度適度の採光なのである。日本でも昔の家は障子が多く、軒を深くして適度に柔らかな採光をしてゐるし、特に茶座敷の如きは、安静と休息の目的から、理想的の採光をしてゐるのである。今のサナトリアムの様な家に住んでる人達を考へると現代日本人の文化的情操に対して、僕は根本的の懐疑を持たざるを得なくなる。


この箇所を読みながら思い出したのは、平成の今まさにテレビでよく見かける、やたらとガラス張りで、日差しの降り注ぐ明るい室内を強調した、ハウスメーカーのCM。今まで気づきませんでしたが、あれこそまさに、温室かサナトリウムのようだという、朔太郎の言葉がぴったりだと思いました。

古本の世界においても、ブックオフが、明るい店内を売り物にして、売っている本も新品のようにピカピカ、というようなことをアナウンスしたせいか、従来の街の古本屋さんでも、天上いっぱいに蛍光灯を並べて、店内の明るさを心がけるお店が多くなったように思います。

うちの店も、最初に業者さんが改装してくれた時には、多めの照明がついていたのですが、ブティックでもあるまいし、どうも感覚的に合わないなぁということで、自分で照明の数を半分にして、今のような雰囲気になりました。もともとうちの店は地下室なので、少し薄暗いくらいでちょうどいい、そして朔太郎の言うように、心身の安静や休息、さらには落付いた”読書生活”の情味を味わってもらえるような店にしたいと思っています。

読書と空間。
2008年03月19日
シマウマ書房のスズキです。

今、店内スペースで展示をさせていただいている今井さんは、とても詩がお好きな方で、建築の話をされているときでも、津村信夫や徳富蘆花などの詩や文章のことをよく口にされます。

そもそも、今井さんとお話をするようになったのも、初めて店にみえたときに、詩集の棚の前でじっと腕組みをしたまま佇んでおられて、「うちの本棚がそのまま置いてあるみたいだよ」とおっしゃられたのが最初でした。
今回の展示の企画も、今井さんが『愛知の建築』のために描いた絵と言葉とを、「まるで君の店のキャッチフレーズみたいだろう」と見せていただいたことから始まりました。




白熱灯

トウメイな電球の似合う
濁りガラスの白い傘は、
ねじ式の止め金と黒いソケットの組合せとともに
畳にうつ伏して
本を読むのを誘う。

この至福の
読書と夢想のための空間は、
降り注ぐ生な明るさのもと
永遠らしき時間を実感させてくれる。

                今井裕夫

学生時代の本。
2008年03月18日
シマウマ書房のスズキです。

大学時代の同級生が、引越しするからと整理する本を宅急便で送ってきてくれました。
ダンボール箱を開けてみると、スティーヴ・エリクソンやポール・オースター、須賀敦子などなど、ちょうど学生の頃に、自分たちにとって身近だった本がいろいろと出てきました。

もちろん、普段から扱っている本ではあるし、たかだか10年前の本を懐かしいなどといっては古本屋として笑われてしまいますが、それでもこんな風に少しまとまって手にしてみると、(今ではお互いに子持ちの親になっていたり、というようなことも含めて) こうやって年月は経っていくんだなぁという気分になりました。


スクラップ通信。
2008年03月17日
シマウマ書房のスズキです。

ブックマークナゴヤのときにお世話になって、一緒にお酒も飲ませていただいたりした晶文社のTさんから、最新の「スクラップ通信」を送っていただきました。
「スクラップ通信」、晶文社さんの新刊案内を兼ねた、しかも味のある手書きのスバラシイ広報紙で、新刊屋さんの業界ではかなり有名なものだそうです。なんかいいですよね、こういうの見ると、また自分のところでもフリーペーパーの次の号を作ろうかな、という気にさせられてしまいます。
そんなことはともかく、この通信のなかの「月刊営業の友」というコーナーで、Tさんがこの前のブックマークナゴヤのことをたっぷりと書いてくださっています。僕の名前も最後のほうにチラっと登場。

「ちなみに上原さんは大阪生まれの京都育ち、実行委員の古書店主、シマウマ書房の鈴木創さんは横浜出身、辻山さんは神戸・・・と外から来た若い人々が中心となって動き出したこのお祭り。本をめぐる熱気はまた来年へと、そして他の場所にもきっと伝播していくにちがいない。」

・・・なーんて、東京の出版業界のド真ん中の方たちに言っていただくと、さすがにちょっと身が引き締まる思いになりますね(笑)。でも、たしかに、来年以降にもきちんと継続していけることが大事なので、これからまた皆で少しずつ積み上げていきたいなと考えています。